今日のひとこと『論理と情緒』

藤原正彦著「国家の品格」に対して:
「結局のところ,論理が通用しないというのは,問題の探索空間が広すぎるから論理で計算不可能なのであって,情緒で解に辿りつくことが現実的に意味を成すということではないか(その意味において,情緒で「発見」した解が正しく解となりえるかを論理で検証するのは比較的易しく現実味を増すことになる)。
しかし,人類の文明史単位の長い目で見ると,数学を含めた科学的手法という「知と論理の蓄積」が情緒に勝って重要な結果を残しているように思えるのだが。(ところで,知識は言葉で媒介しやすくミームというメディアに載せて後世に伝えることもたやすいが,情緒を遺伝子というメディアに載せて後世に伝えることは難しい。)」